ボリンジャーバンドは、移動平均線と比べると線が多く、どこか複雑で取っつきにくい印象があります。僕も最初は難しそうなインジケーターだと感じました。
しかし実際に使ってみると、視覚的にわかりやすく、相場の状態を直感的に把握できるツールです。
大切なのは、先に“相場の何を読み取るのか”が明確になっていること。ボリンジャーバンドは、その情報を可視化するために使う補助ツールの1つです。
ロウソク足や高安値の構造と組み合わせることで、はじめて相場の状態が立体的に見えてきます。
本記事では、ボリンジャーバンドの具体的な見方を整理しながら、それをどのようにトレード判断へつなげていくのかを解説します。

この記事はこんな人におすすめ!
・ボリンジャーバンドを使っているが、いまいち使いこなせていない人
・インジケーター選びに迷っている人
・環境認識とインジケーターの結びつけ方を整理したい人
相場の波の考え方も理解すると整理が進みます。波のリズムについてはこちらの記事で説明しています。
1.FX ボリンジャーバンドの基本|まず整理したいポイント
1-1. ボリンジャーバンドは何を示すインジケーターなのか
ボリンジャーバンドは、相場の「状態」を多角的に把握するためのインジケーターです。移動平均線を基準に、価格の動きがどの程度広がっているかを示す帯を上下に配置した構造になっています。
この形によって、相場が活発に動いているのか、それとも次の動きに向けて落ち着いた状態なのかといった、相場全体の雰囲気を直感的に捉えやすくなります。
また、ロウソク足とボリンジャーバンドの位置関係や、バンドの傾き、広がり方を合わせて見ることで、相場の流れや変化の兆しをまとめて把握できます。
ボリンジャーバンドの特徴は、こうした複数の視点を、1つのインジケーターの中で整理して確認できる点にあります。
なお、ボリンジャーバンドは売買判断を直接下すためのものではなく、相場の状況を整理し、判断を補助するためのツールとして使います。
僕自身、以前は移動平均線を使っていましたが、ボラや相場の勢いを視覚的に把握しやすい点から、ボリンジャーバンドを使うようになりました。
もう一つ重視しているのは、多くの人が使っているメジャーなインジケーターであることです。取引口座や分析ツールを変えても使えない、という状況を避けられるだけでなく、同じ設定を使う人が多いほど、チャート上で意識されやすいというメリットもあります。
1-2. 基本は±1σ・±2σだけで十分な理由

ボリンジャーバンドは、基準となる移動平均線を中心に、価格の変動幅を示す±1σ・±2σ・±3σといった複数のσラインで構成されています。
σ(シグマ)は、移動平均線からの距離を示す目安で、移動平均線より上側はプラス、下側はマイナスとして表されます。チャートに表示すると、中央に移動平均線、その上下にσラインが並ぶ形になりますが、本記事では±1σと±2σのみを使って話を進めていきます。
ボリンジャーバンドを見るうえで重要なのは、それぞれのσを個別に評価することではなく、移動平均線から価格がどれだけ離れているかという距離感です。
トレンドが出ている場面では、価格が移動平均線から離れるほど、相場の勢いが強い状態と捉えることができます。この距離感を把握するうえで、±1σと±2σまで確認できれば、勢いの強弱を判断する目安としては十分です。
一方で、レンジに近い場面や、移動平均線に明確な傾きがない状態では、価格は±1σの範囲に収まりやすく、動いたとしても±2σの中に収まることが多くなります。
このように、相場の状態と距離感を整理するだけで、±1σ・±2σから読み取れる情報は十分に揃います。
1-3. ボリンジャーバンドで最初に見るべき3つのポイント
ボリンジャーバンドで相場を判断するうえで、見るべきポイントは3つあります。
- ロウソク足との位置関係
- ボリンジャーバンドの傾き
- ボリンジャーバンドの拡大と収縮(バンド幅)
以下では、それぞれを簡単に見ていきます。
・ロウソク足との位置関係
価格(ロウソク足)がボリンジャーバンドの内側に収まっているのか、それとも外側へ張り付くように推移しているのかを確認します。これは、相場の勢いや落ち着き具合を把握する手がかりになります。
・ボリンジャーバンドの傾き
ボリンジャーバンド全体が上向き・下向きに傾いているか、それとも横ばいなのかを確認します。これは、相場がトレンド状態なのか、レンジに近い状態なのかを見極めるための基本的な視点です。
・ボリンジャーバンドの拡大と収縮(バンド幅)
バンド幅が広がっているのか、縮んでいるのかを見ます。バンドが拡大している場合は相場に動きが出ており、収縮している場合はエネルギーが溜まっている状態と捉えられます。
これら3つのポイントは、今の相場の状態を判断するための軸になります。以降の章では、それぞれの見方と、トレード判断へどのようにつなげていくのかを整理していきます。

この3つを“見える化”してくれるのが、ボリバンの強みです。
2.ボリンジャーバンドは「位置関係」から読む
2-1. ロウソク足と高安値を確認したあとに見る「位置関係」
ボリンジャーバンドでは、ロウソク足や高安値で流れを確認したあとに、相場の状態や波の強さを位置関係から見ていきます。具体的には、価格が移動平均線や±1σ、±2σのどこに位置しているかを確認します。
トレンド相場での位置関係の見方
上昇トレンドの場合
- +1σ付近に張り付く → バンドウォーク、トレンドは堅調
- MA → 最初に守られてほしい押し安値候補
- ー1σ → 最低限守られてほしい押し安値候補(割ったらトレンド否定)
トレンド相場では、ロウソク足と高安値から流れを確認したうえで、その波がどれくらい強い状態にあるかを位置関係で見ていきます。
上昇トレンドの場合、価格は移動平均線の上で推移します。特に、ロウソク足が+1σ〜+2σの間に収まる状態はバンドウォークと呼ばれ、トレンドが堅調に進行しているサインと捉えられます。
調整が入った際には、まず移動平均線が押し安値候補として意識されます。ここは「最初に守られてほしいライン」であり、一時的に割り込むこと自体は珍しくありません。
移動平均線を割った場合に次に見るのが−1σです。−1σは最低限守られてほしい押し安値候補であり、ここを明確に割り込む動きが出た場合は、トレンドが否定方向に向かい始めた可能性を疑います(最終的な判断は高安値との総合判断になります)。
このように、トレンド相場ではロウソク足と高安値で確認した流れを前提に、ボリンジャーバンドの位置関係からトレンドの強弱や状態の変化を読み取っていきます。

レンジ相場での位置関係の見方
- 移動平均線は機能しない
- 価格は±1σ〜±2σの範囲に収まりやすい
レンジ相場では、トレンド相場とはボリンジャーバンドの役割が変わります。
まず、移動平均線は機能しません。レンジ中は方向感を失っているため、価格は基準となる移動平均線を無視した動きになりやすくなります。
この状態では、±1σや±2σがレンジの上限・下限のような役割を果たします。価格は移動平均線を挟んでプラス側とマイナス側を行き来し、その中を自由に動くような形になりやすくなります。
そのため、レンジ相場では、ボリンジャーバンドの位置関係から「次にどちらへ動くか」を積極的に予測することは難しく、動きが読みづらい状態であると判断します。

ロウソク足と高安値で相場の流れを確認したうえで、はじめてボリンジャーバンドの「位置関係」が意味を持ちます。
※相場全体の流れをどう捉えるかについては、環境認識の記事で詳しく解説しています。
2-2. 傾きは「方向を決める」のではなく「整合性を見る」
位置関係を確認したら、次に見るのがボリンジャーバンドの「傾き」です。ボリンジャーバンドは、傾きによって相場の方向を判断することができます。
- 上向き(↗︎)なら上昇トレンド
- 下向き(↘︎)なら下降トレンド
- 横ばい(→)ならレンジ
移動平均線を基準に、バンド全体がどちらを向いているかを見るだけです。
ただし、僕の使い方では、トレンド判断のメインはあくまで高安値(ダウ理論)です。ボリンジャーバンドの傾きは、その判断が合っているかどうかを確認するために使います。
ダウとボリンジャーバンドの傾きが一致していれば、分析の信頼性は高くなります。逆に、方向が食い違っていれば、その見立ての信頼性は低いと判断します。
ここでやっているのは、方向を決めることではなく、整合性を見ることです。


2-3. バンド幅は勢いを確認するための指標
最後に見るのが、ボリンジャーバンドの「バンド幅」です。バンド幅の拡大・収縮は、相場のボラティリティ(値幅)の変化を示します。
- バンド拡大 → ボラティリティ拡大
- バンド収縮 → ボラティリティ収縮
バンド幅の基本パターン
- トレンド方向へ強く伸びている + バンド拡大
→ 値幅を伴った動き - トレンド中だがバンド収縮
→ 調整局面、または終盤で勢いが弱まっている可能性 - レンジ中
→ 拡大・収縮どちらも起こる
ただし、レンジの終盤ではバンド幅が収縮する場面が多くなります。この点については、3章で詳しく扱います。
バンド幅の状態からボラティリティを見ることで、相場の過熱感やエネルギーの状態を把握することができます。これもバンドの傾きと同様に、単体で見るのではなく、直近の値動きなどを分析したうえで補助として使います。


最後に、ボリンジャーバンドの使い方を整理します。
まずロウソク足と高安値で流れを確認します。そのうえでボリンジャーバンドを使い、 位置関係→ 傾き→ バンド幅 の順に見ていきます。ボリンジャーバンドは、方向を決めるためのものではなく、流れと矛盾がないかを確認するためのツールです。

流れと照らし合わせてこそ、意味が見えてきます。
3.波のリズムとボリンジャーバンド|相場を“感じ取る”視点
ここまでは、ボリンジャーバンドの具体的な見方を整理してきました。最後に、相場全体を捉えるための視点について確認しておきます。
相場は不規則に動きます。
しかし、その不規則な動きの中にも、上昇と下降、そしてその合間に生まれる“間”というリズムが存在します。
伸びる時間。
落ち着く時間。
そして、再び動き出す時間。
この波のような変化を意識すると、一見ランダムに見える相場の中にも、状態の違いが見えてきます。
ボリンジャーバンドを重ねてみると、その変化はさらに明確になります。

トレンドが強まる局面ではバンドが拡大し、値動きが落ち着く場面では収縮しています。そして、収縮のあとに再びバンドが広がり始めると、相場が次の動きに入る準備をしていることが読み取れます。
例えば、収縮局面で次の動きを想定し、バンドの拡大が始まったところを狙う――
そうした組み立ても、このリズムの理解から生まれます。
相場の“波のリズム”を意識すると、ボリンジャーバンドは単なるラインではなく、相場の状態を把握するためのツールとして見えてきます。
波のリズムそのものについては、別記事で詳しく解説しています。
まとめ
ボリンジャーバンドは、価格を囲むラインではありません。相場の構造・勢い・ボラティリティを一度に把握できるツールです。
本記事のポイントは次の3つです。
- ロウソク足との位置関係・バンドの傾き・バンド幅を見ること
→ 波の勢い・トレンド方向・ボラティリティを読み取る - それらをダウ理論(高安値)の分析と整合させて判断すること
- 波のリズムも加味することで、相場の流れ全体を把握すること
これらが整理できるだけで、チャートの見え方は大きく変わります。実際のチャートでどのように分析していくのかは、次の記事で解説します。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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