FXでなかなか安定して勝てない…。
手法をあれこれ試しても結果が出ず、迷走していませんか。
多くのトレーダーは「戦略」を意識せずにトレードしています。
そのため、再現性がないだけでなく、自分の軸が定まらず、どんな波を狙い、どんなトレードをしたいのかを言語化できないのです。
これはトレーダーとして最も大事な部分を欠いている状態といえます。
この記事では、レンジを観察し、トレンド発生後の波に乗るシンプルで安定感のある戦略を解説します。
「戦略を持つこと」で、あなたのトレードが変わり始めます。
ぜひ参考にしてください。

【この記事はこんな人におすすめ!】
・手法ばかり試して成果が出ないFX初心者
・勝ちパターンが見えず迷走しているトレーダー
・自分の軸となる戦略を持ちたい人
・日々忙しくチャートに張り付けない兼業トレーダー
もし戦略の考え方自体を整理して学びたい方は、基本を解説した『勝てるFX戦略の基本|安定して利益を出す考え方と仕組み』から読むのがおすすめです。
1.戦略の基本的な考え方
1-1 レンジ認識の重要性
トレンド相場で安定して利益を得るためには、いきなり動き出してから飛び乗るのではなく、レンジの段階から相場を観察しておくことが大切です。
レンジは、買いと売りの勢力が均衡している状態であり、相場参加者の攻防が続いている段階です。
ここを把握しておけば、「ブレイク後にどのように波を狙っていくのか」を事前にイメージしておくことができます。
特に、レンジを抜けて明確にトレンドが発生した後の方が、安定して利益を取りやすいものです。
そのために、あらかじめレンジを確認し「抜けた後の波を狙う」という流れを意識しておくことが戦略の第一歩となります。

1-2 戦略の土台にある考え方
レンジを抜けてトレンドが生まれる背景には、相場参加者の大衆心理があります。
レンジ内ではどちらに動くか決めきれず、ブレイクによって初めて市場のコンセンサスが固まります。
このとき、損切りを巻き込んだ注文、新規の順張りエントリーが一斉に発生し、相場は一気に伸びやすくなります。
つまり、戦略の根底には「相場の原理=大衆心理を利用する」という考え方があります。
私は単にチャート形状を追うのではなく、その裏にある心理の動きを重視しています。
大衆心理が一方向に傾いた瞬間を捉え、波に乗ることが戦略の軸となるのです。
大衆心理については、こちらの記事で詳しく解説しています。
2.レンジとトレンドの関係
2-1 レンジを見極めておく理由
レンジを丁寧に把握するのは、単なる下準備ではありません。
レンジの攻防が激しいほど、抜けた後の動きは強くなりやすいからです。

小さなレンジや曖昧なレンジでは、抜けても力強さに欠ける場合が多く、すぐに戻ってしまうことがあります。
逆に、大きなレンジで長期間もみ合いが続いた後のブレイクは、明確なトレンドに発展する可能性が高いのです。
レンジの期間が長ければ長いほど、ブレイクした後のトレンドは大きくなる傾向があります。

僕は1時間足で最低5本を超えるような、一定時間続いたレンジの後のトレンドを狙っています
2-2 レンジブレイクの確認ポイント
ブレイクの際に注意すべきは「ダマシ」を避けることです。
特にヒゲだけのブレイクや、最初の1回目の抜けはダマシになりやすく、慎重さが求められます。
レンジブレイクを確認するときは、
- 終値ベースで抜けているか
- 抜けた足の出来高やローソク足の形に勢いがあるか
- 直後の戻しが小さいか
といった要素を見ます。
これらを満たすほど、その後のトレンドが持続しやすくなります。
したがって、ヒゲだけのブレイクは、僕はブレイクとして判断していません。
また、終値ベースつまり実体でブレイクしても、次のロウソク足でレンジ内に戻ってきた場合はやはりブレイクとして判断しません。
これは上位足で見ればヒゲになっている状態なので、ヒゲでブレイクしてもブレイクと判断しないのと同じ理屈です。

2-3 レンジ把握で得られるメリット
レンジを戦略の基点に置くことで、次のようなメリットがあります。
- エントリー方向を明確にできる
- ダマシに振り回されにくくなる
- トレンドの初動を見極めやすくなる
- 不要なエントリーを避けやすくなる
結果として、勝率やリスクリワードの数値を事前に決めなくても、戦略的に優位なポジションを取れるようになります。
相場はトレンドとレンジを交互に繰り返します。「どこを抜けたらレンジが終了なのか」をしっかり把握しておくことで、トレンドに乗りやすくなります。
3.エントリーと損切りの考え方
3-1 初動を避ける理由
ブレイクの直後から入るトレーダーもいますが、それが常に有利というわけではありません。
初動はトレンドが発生しても規模が小さいことが多く、戻しも深くなりがちです。
こうした不安定な段階でエントリーすると、せっかく正しい方向に入っても、一度の押し戻しで損切りにかかってしまうことがあります。
私はこのリスクを避け、トレンドがある程度形になってからエントリーすることを基本としています。

手法がブレイクアウト狙いでも、押し戻り狙いでも、トレンドフォローでのエントリーの前提となります
3-2 損切りの置き方
損切りは「前提となる根拠が崩れたとき」に行います。
レンジブレイク戦略であれば、レンジを抜けた後に再びレンジ内へ戻ってきた時点で損切りを行うのが基本です。
したがって、損切りは必ずしもトレンドの起点に置く必要はありません。
むしろブレイクしたレンジの端に置く方が合理的です。
これは「チャートのどこが根拠であるか」を明確に意識することに直結します。

損切りの基本は、直近の高安値に置くことです。いきなりレンジの端に損切りを置くとすぐ狩られるので、エントリーしたタイミングによりますが、トレンドがしっかり伸びたのを確認したうえでレンジの端に置くと良いと思います。
3-3 損切り移動と利確の考え方
トレンドが進行する中では、直近の高値・安値を基準に損切りを動かしていきます。
これにより、含み益を確保しつつトレンドを最大限に追うことができます。

利確は「◯pips取れたら終わり」といった事前目標を立てるのではなく、下位足のトレンドが終了した時点で自然に決済される仕組みにしています。
こうすることで、利益を伸ばせるときにはとことん伸ばせるのです。
下位足の高安値に損切りを置くと、一度損切りされて(実質利確ですが)また順行するというケースも起こります。僕はその場合、改めてエントリーするという方針をとっています。
4.戦略の強みと弱点
4-1 戦略のメリット
この戦略には次のような利点があります。
- トレンド発生を確認してからエントリーするため伸びやすい
- 含み益が出てからは精神的に余裕を持ちやすい
- 利確を限定しないので大きなトレンドを取れる
- 下位足を利用して追加エントリーも可能
シンプルでありながら、トレンドフォローの醍醐味を最大限に生かせる戦略です。
トレードにはメンタルに左右されやすい側面があります。
逆行しにくく大きな利益が取れることは、トレードの再現性だけではなく、メンタル面での安定性にも繋がります。

戦略がシンプルだからと言って、手法もトレードルールも単純すぎるとカモにされてしまうので注意しましょう
4-2 戦略の弱点と対策
もちろん、この戦略にも弱点は存在します。
しかし、工夫によってカバーすることが可能です。
- チャンスが少ない
→ 無駄なエントリーを減らせるため、資金効率が悪いとは限らない。 - ダマシの存在
→ 完全には避けられないが、勝率100%はあり得ない前提で資金管理を行えば問題ない。 - スワップポイント
→ マイナススワップはゼロスワップ口座を利用する、または経費と割り切る。プラススワップになるケースもある。
こうした割り切りや工夫によって、弱点を許容範囲に収めることができます。
特にダマシの回避は、経験値も必要になってきます。
実践するにあたっては、必ず検証を繰り返して自分なりの感覚を掴むことが大切です。
まとめ:レンジ観察から始まる、一貫したトレンド戦略の実践
本記事では「レンジを観察し、ブレイク後のトレンドを狙う」という戦略を解説しました。
トレードにおける安定性を高める最大のポイントは、個別の手法よりも、まず一貫した戦略を持つことです。
この戦略では、レンジでの攻防を観察し、終値ベースでブレイクを確認してからエントリーします。
初動は狙いませんが、その分ダマシを避け、確度の高いトレンドに乗れることが大きな特徴です。
損切りは直近の高安値に設定し、トレンドが伸びるごとに追従させる仕組みをとります。
詳細なテクニックはシンプルですが、その効果は非常に実用的です。
特に強調したいのは、この戦略がもたらす「実用性」の部分です。
- 逆行しにくい:終値でのブレイク確認により、無駄な逆行に巻き込まれにくい
- 利益を伸ばしやすい:リスクリワードを固定せず、トレンドの終わりまで利益を伸ばせる
- メンタルが安定する:大きな波に乗るため、細かな値動きに振り回されない
- 時間効率が良い:中期足を基軸とするため、兼業トレーダーでも続けやすい
これらの利点は、単に勝率や損益比を改善するだけでなく、日々のトレード生活そのものを安定させる効果があります。
特に「メンタルの安定」と「時間効率の良さ」は、長くトレードを続けていく上で欠かせない要素です。
つまり、この戦略の本質は「損小利大を自然に実現しながら、無理のないトレードを可能にすること」にあります。
レンジ観察から始まり、トレンドに一度乗れば放っておいても利益が伸びていく──。
その安心感が、戦略を継続する力につながり、やがて安定的な成果へと結びついていくのです。
トレードで悩んでいる方は、参考までにこの戦略を試してみてください。
相場との向き合い方が少しずつ変わり、長く続けられるトレードスタイルを見つけるきっかけになるはずです。
今回紹介した戦略を実践に活かす前に、まずは戦略の土台を理解したい方は『勝てるFX戦略の基本|安定して利益を出す考え方と仕組み』をご覧ください。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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