FXで損切りを自動化する方法|MT5での設定手順と初心者が避けたい失敗例

FXの損切りを自動で設定したいけれど、「どうやるの?」「失敗したら怖い…」と感じていませんか?
手動での損切りは感情に左右されやすく、判断が遅れると大きな損失につながることもあります。

この記事では、MT5を使った自動損切りの設定方法を初心者でもわかるように解説。
さらに、ありがちな設定ミスや注意点も具体例つきで紹介します。

自動化の仕組みを理解すれば、安定したトレードの第一歩を踏み出せるはずです。

にゃお
にゃお

【この記事はこんな人におすすめ!】

・FXの損切りを自動で設定したい初心者
・感情に左右されずに安定したトレードをしたい人
・MT5での損切り設定方法を知りたい人
・自動化設定で失敗したくない人

FX初心者が陥る「損切りしないで待つ」ワナ|損切り=負けではない理由

1. 損切り設定の基本

1-1. 逆指値注文とは何か

FXで損切りを行う基本は、逆指値注文の活用です。
逆指値とは、保有ポジションが指定した今より不利な価格に達したときに、自動で決済される注文のことを指します。

例えば買いポジションの場合、設定した価格より相場が下がると、自動的に売りが執行されて損失を限定できます。

逆指値を使うメリットは以下の通りです:

  • 感情に左右されず、ルール通りに損切りできる
  • 含み損が膨らむ前に損失を確定できる
  • 長期的に安定したトレード判断ができる

1-2. 損切りを設定する目的とメリット

損切りを設定する目的は、損失を最小限に抑え、トレードを長期的に続けることです。
設定していないと、相場が逆行した際に「もう少し待てば戻る」と感情で判断してしまい、大きな損失につながるリスクがあります。

損切りを設定することで得られるメリットは以下の通りです:

  • 1回の失敗で退場するリスクを減らせる
  • メンタルを安定させ、冷静に相場を判断できる
  • 資金管理と組み合わせることで、損失をコントロール可能
  • トレードルールに従った取引を継続しやすくなる

2. 手動損切りと自動損切りの違い

2-1. 手動損切り(成行)とは

手動損切りとは、チャートを見ながら自分の判断で決済ボタンを押して損切りする方法です。
実際のオーダーは、成行注文という方法でします。

一見すると柔軟に対応できるように思えますが、実際は感情に左右されやすく、「まだ戻るかも」と判断を遅らせてしまうケースが多いです。

特に初心者のうちは、損失を認めること自体がストレスとなり、損切りを先延ばしにする傾向があります。

この方法を使う場合は、事前に「どの価格で損切りするか」を明確に決め、感情を排してルール通りに実行する強い意志が求められます。

2-2. 自動損切り(逆指値)とは

自動損切りは、あらかじめ設定した価格に達した時点で、自動的にポジションを決済する仕組みです。

エントリーと同時に逆指値を入れておけば、トレード中に迷うことがなく、感情の影響を最小限に抑えられます。
特に兼業トレーダーや、相場を常に見られない人にとっては必須の手法です。

自動損切りを設定しておくことで、一度の判断ミスで資金を大きく減らすリスクを防ぐことができます。

2-3. 自動損切りは基本。ただしスタイル次第で例外もある

自動損切りは初心者だけでなく、多くの上級トレーダーも活用している基本のリスク管理手法です。

チャートを見ながら判断する必要がなく、感情を排除して一貫したトレードを維持できる点が大きな強みです。
そのため、熟練度に関係なく、裁量トレードをする人の多くが逆指値を設定しています。

ただし、トレードスタイルによっては手動損切りが合理的になるケースもあります。

たとえばスキャルピングでは、わずか数秒〜数十秒で決済することも多く、注文を入れる時間すら惜しい場面があります。
また逆張りスタイルでは、一時的な逆行を前提にエントリーするため、逆指値を置くと“ヒゲで刈られて順行する”という現象が起こりやすいです。

こうした場合は、相場のリズムを理解した上で、手動損切りを選択する判断もありです。

ただし共通して言えるのは、「損切りラインを決めずにエントリーする」のは絶対にNGということ。
どんなスタイルであっても、思惑が外れたら撤退する基準を明確にしておくことが、安定したトレードの第一歩です。

にゃお
にゃお

僕は必ず自動損切りにしています。リアルトレードで手動で損切りしたことは一度もありません。

3. MT5での損切り設定方法

3-1:MT5モバイルの基本操作手順+ストップロスの設定

MT4やMT5では、エントリー時に損切り(逆指値)を設定できます。

逆指値注文とは、保有ポジションが指定した今より不利な価格に達したときに、自動で決済される注文のことです。
たとえば買いポジションの場合、指定した価格まで下落した時点で売りが執行され、損失の拡大を防ぎます。

MT5モバイルでの基本的な損切り設定手順

ここでは、スマートフォン版MT5を使って新規注文時に損切り(ストップロス)を設定する方法を紹介します。

① トレード画面を開く

まず、画面下部メニューの「トレード」タブをタップします。

② 注文画面を開く

画面右上の「+」アイコンをタップすると、新規注文画面が開きます。

ここで、通貨ペア・発注タイプ・ロット数・価格などを設定します。

  • 通貨ペア:取引したい通貨ペアを設定します。通貨ペアは、気配値タブであらかじめ追加しておく必要があります。(気配値タブでシンボルを検索すると通貨ペアを追加できます。例:USD/JPYなど)
  • 発注タイプ:通常は「成行注文」を選択(指値注文をしたい場合はBuy Limit/Sell Limitを選択)
  • ロット数(数量):資金管理に基づいて設定(例:0.1ロットなど)

③ ストップロス(損切り)を設定

「ストップロス」の欄に、損切りラインとなる価格を入力します。

このとき、次の点に注意しましょう。

  • 買いポジション(ロング)なら、エントリー価格より下のレートに設定
  • 売りポジション(ショート)なら、エントリー価格より上のレートに設定
  • 損切り幅は、直近の高値・安値や、チャート上のサポレジを基準に決めるのがおすすめ
    📌 例:USD/JPYを150.000で買う場合 → ストップロスを149.700に設定(30pipsの損切り)

④ 発注(エントリー

内容を確認したら、「買い(Buy)」または「売り(Sell)」ボタンをタップしてエントリーします。

これで、損切り付きの注文が完了します。

発注後も、トレードタブから保有中のポジションをタップして、ストップロスやテイクプロフィット(利確)の変更・追加などができます。成行の決済もここからします。

左がトレード画面、右が注文画面。エントリー後でもトレード画面に表示されるポジションをタップすると注文画面が開き、損切りや利確の変更・追加ができます。(なお、そのときの発注ボタンは決済ボタンになります。)

3-2:実運用での損切り設定のポイント(エントリー後の追加設定など)

実際の設定操作ができたら、次は「どのタイミングで損切りを入れるか」という実運用の話です。
トレードスタイルや相場の状況によって、その判断は少し変わります。

実際のトレードでは、損切り設定をエントリーと同時に行わないケースもあります。
特に、トレンドが動き出すタイミングを狙うような相場では、一気に価格が進むことが多いため、まずポジションを持つことを優先する場面もあるでしょう。

そういった場合は、エントリー後に損切りを追加設定する方法も有効です。
勢いに乗るためのスピードを重視しつつ、後からリスク管理を整えるスタイルです。

一方、落ち着いた局面や指値エントリーの場合は、あらかじめ逆指値を設定しておくのが基本です。
事前に設定しておけば、感情的な判断や操作ミスを防ぎ、一貫したリスク管理を維持できます。

トレンドが順行して含み益が出たら、多くのトレーダーは高値・安値の更新を目安に、手動で損切りラインを追随させます。相場の動きに合わせて柔軟に調整することで、固定pipsでのトレールストップよりも現実的で精度の高いリスクコントロールが可能です。

にゃお
にゃお

損切りラインの追随は、オーダー上は損切りですが実質利確になります。自動で決済されるので楽です。

4-1. 損切り幅の広すぎ・狭すぎ

初心者が陥りやすいのが、損切り幅を「広く取りすぎる」こと。
広めに設定しても一度の損失が極端に大きくなるわけではありません。

一回の損失額以上に問題なのは、リスクリワードの悪化です。
損切り幅が広くなると、同じ利確幅でも「利益:損失」のバランスが悪くなり、トータルの期待値が小さくなります。
1回のトレードではわずかな差でも、繰り返すと大きな違いとなり長期的に資金が増えにくくなるのです。

一方で、タイトすぎる損切りはヒゲで狩られやすく、「損切り貧乏」に陥りがち。これも避けたいところです。

損切りは直近の高値・安値を基準に設定し、実際にはその外側に少しプラスαの余裕を持たせましょう。
このプラスαの幅は通貨ペアや相場環境によって異なるため、経験を積みながら“ちょうどいい距離感”を探していくのが理想です。

関連記事はこちら:

【完全ガイド】FX水平線の実践法:エントリーと利確・損切り設計

4-2. 損切りを設定しない

初心者が最もやりがちで、そして最も危険なのが「損切りを設定しないこと」です。
「このまま待てば戻るかも」「もう少し様子を見よう」――そう考えてしまうのは誰にでもあること。

しかし、相場は思いどおりには動きません。

損切りを入れないまま逆行すると、含み損がどんどん膨らみ、やがて「損切りできない」状態に陥ります。
そのまま強制ロスカットになるケースも多く、一度のトレードで口座資金の大部分を失うことさえあります。

損切りは「負けを確定させるため」ではなく、資金を守るための防御策です。
どんなに自信のあるエントリーでも、必ず損切りを設定してからポジションを持ちましょう。

特に初心者のうちは、ポジションを持った直後にストップロス注文を入れる習慣をつけるのが大切です。
自動で損失を限定できれば、感情的な判断を避けられ、冷静に次のトレードに臨むことができます。

にゃお
にゃお

損切りを入れないのは、連敗後や大敗後のヤケクソになった時ほどやりがちです。そんな時は一旦エントリーせず、時間を置いてまず冷静になりましょう。

まとめ:自動損切りを活用して感情を排除しよう

損切り設定は、FXトレードで最も重要なリスク管理のひとつです。
勝っているトレーダーほど、「どこで負けを受け入れるか」を明確に決めています。

一方で損切りを曖昧にすると、想定外の含み損を抱え、精神的にも資金的にも追い込まれてしまうことがあります。
損切りを正しく設定することで、トレード全体の安定感が大きく変わります。

この記事では、MT5での具体的な設定手順から、初心者が陥りやすいミスまでを解説しました。
特に押さえておきたいポイントは次のとおりです。

  • エントリーと同時、または直後にストップロスを設定する
  • 直近の高値・安値の外側に、少し余裕を持たせて損切りを置く
  • 広すぎる設定はリスクリワードを悪化させる
  • 狭すぎる設定は損切り貧乏の原因になる
  • 損切りを入れない判断は最も危険

損切りは「負け」ではなく、次のチャンスに資金を残すための戦略的撤退です。
相場は何度でもチャンスをくれますが、資金を失えばそのチャンスを掴むことすらできません。

また、通貨ペアやボラティリティによって適正な損切り幅は変わります。
経験を積みながら、自分の手法やトレードスタイルに合った「損切りの距離感」を探っていきましょう。

この記事の内容を実践していくことで、感情に左右されない冷静なトレード判断ができるようになり、安定したパフォーマンスを積み重ねる土台が整っていきます。

ゴールデンウェイジャパン(FXTF MT4)