FXで少額から稼ぎたい、あるいは早く資金を増やしたいと焦っていませんか。
その解決策の一つとして、複利での運用が気になっている方も多いはずです。 確かに複利は、条件が噛み合えば資金の増え方が一気に加速する可能性があります。
一方で、どのくらい増えるのか、どんな前提やリスクがあるのかを理解しておくことは実際の運用では重要です。
この記事では、FXの複利をシミュレーションしながら、数字をもとに現実的な考え方と自分に合った運用を考えるヒントを整理していきます。

この記事はこんな人におすすめ!
・FXで少額から資金を増やしたいと考えている
・複利運用に興味がある
・複利のシミュレーションをしてみたい
読む前の目安
□ 勝率やRR(リスクリワード)という言葉の意味は理解している
□ トレード結果を、何らかの形で振り返っている
□ 1回のトレードでどのくらいの損失を許容するか決めている
※ すべて当てはまる必要はありません。
複利を考える前に、そもそも利益をどう伸ばすかという視点も一度整理しておくと、全体像が見えやすくなります。
1.FXにおける複利の考え方
1-1.単利との違いと、FXにおける複利の特徴
FXにおける証拠金の運用方法には、大きく分けて単利と複利の2つがあります。
単利は、利益が出ても運用額を変えず、常に同じ規模でトレードを行う方法です。一方で複利は、得た利益を運用額に反映し、次の取引規模を調整しながら進めます。
この違いは短期では目立ちませんが、取引回数が増えるほど結果に影響してきます。どちらが正しいという話ではなく、自分の運用スタイルに合った方法を選ぶことが重要です。
1-2.FXで言う複利は「利益を次のロットに反映すること」
FXで複利運用をするには、得られた利益を次のトレードのロットに反映させます。利益が増えれば取引数量を上げ、減れば抑えるという調整を繰り返していきます。
複利というと、リターンのことばかり考えてロットを増やすことに意識が向きがちなもの。
ですが、運用全体を安定させるためには、適切なロットのコントロールが重要になります。ロットを段階的に調整することで、運用規模が少しずつ変化していきます。
1-3.資金が加速する仕組みと、止めるルールが必要な理由
複利というと、利益が倍々に増えていくイメージを持ちやすいですが、それは連勝が続くことを前提にした話です。FXでは勝率が100%になることはなく、どこかで必ず負けが訪れます。
問題は、その最後の負けで、それまで積み上げた利益をすべて失うことになる点です。
だからこそ、複利を使う場合は、どこかで自主的に止めるルールが欠かせません。たとえば、何連勝したら複利をリセットする、といった区切りを決めておく考え方です。
適切にコントロールできれば、複利は資金管理の中で有効な運用方法として機能します。
複利を使う際に意識したいポイント
- 連勝が前提になっていないか
- 最後の1敗でどこまで失うのか
- どのタイミングで複利を止めるか、事前に決めているか

正直、複利を知ったときは「これもう楽勝じゃん」って思いました。笑
2.FX複利の計算とシミュレーション
2-1.理論上の複利計算と、実際のトレードとの違い
複利の計算自体はシンプルで、条件を限定すれば誰でも理解できます。
例えばRR=1:1の場合、1回勝つと証拠金は2倍になります。その利益をすべて次のトレードに回して再び勝てば、資金はさらに2倍、つまり最初の4倍になります。
この流れを繰り返せば、理論上は資金が倍々に増えていきます。
仮にRR=1:1で4連勝、スタート資金が10万円とすると、計算上は次のような結果になります。
| スタート | 1回目 勝ち | 2回目 勝ち | 3回目 勝ち | 4回目 勝ち |
|---|---|---|---|---|
| 10万円 | 20万円 | 40万円 | 80万円 | 160万円 |
4連勝できれば、資金は16倍になります。ただし、同じ勝率・同じ回数であっても、勝ち負けの並びは毎回変わります。
また、確率的にも連敗が続いた時のメンタル的にも、実際の運用は3連勝くらいまでが現実的だと僕は思っています。
ここからは、数字の話が続きます。
2-2.同じ条件でも、結果に差が出る理由
複利は連勝前提の運用
仮に100回トレードして、最終的な勝率が50%だったとします。勝ちも負けも50回ずつですが、実は無作為に切り取った連続10回が必ず5勝5敗になるとは限らないんですね。
理論上は、10回すべて勝つことも、すべて負けることも起こり得ます。
複利運用では、この「並び」が重要になります。なぜなら、あらかじめ決めた連勝回数に到達しなければ、その区間の利益はゼロになるからです。(厳密には証拠金分がマイナスです)
重要なのは、勝ち負けの並びによって「一定回数の連勝条件を満たせるかどうか」が変わる点です。この条件を満たした回数によって、最終的な利益は大きく変わります。
| 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 6回目 | 7回目 | 8回目 | 9回目 | 10回目 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A(5勝5敗) | ○ | × | ○ | × | × | ○ | ○ | × | ○ | × |
| B(3勝7敗) | × | × | ○ | × | ○ | × | × | ○ | × | × |
| C(7勝3敗) | ○ | × | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ |
同じ勝率50%でも、短期で見た勝敗数や並びは毎回異なります。BやCのような結果になることも起こり得ます。
勝ち負けの並びによる資金推移の違い
同じ回数・同じ勝率であっても、勝ち負けの並びによって複利の結果は大きく変わります。ここでは、連勝回数を基準にリセットする複利運用を例に見ていきます。
前提条件
- スタート資金:10万円
- 勝率:50%
- RR:1:1
- トレード回数:10回
- 複利ルール:3連勝で利益を確定しリセット
例(イメージ)
| 勝ち負けの並び | 連勝3回達成 | 最終損益 |
|---|---|---|
| 並びA(5連勝→5連敗) | あり(1回) | +30万円 |
| 並びB(達成なし) | なし | −50万円 |
このように、複利では勝ち負けの「回数」よりも、連勝基準に一度でも到達できるかどうかが結果を左右します。ちなみに、単利の場合、10回トレードしても最終損益は±0付近に収まります。
ここまでで分かるのは、複利の結果は条件次第で大きく変わるという点です。では次に、実際のシミュレーション結果を見ていきましょう。
2−3 FX複利シミュレーション結果(150回)
このシミュレーションの前提条件
まず最初に、今回のシミュレーション条件を整理しておきます。
- 連勝チャレンジ回数:150回
- 複利ルール:2連勝でロット増加 → 以降は固定
- 勝率・RR:各パターンで異なる(※ここが重要)
- 目的:「どれくらい増えるか」ではなく連勝・連敗の偏りによって資金推移がどう歪むかを見ること
今回のシミュレーションにおける「回数」は、トレード回数ではなく連勝チャレンジ回数です。
1チャレンジにつき、
- 1回で負けても
- 2連勝しても
- 3連勝してリセットされても
すべて「1回」としてカウントします。
そのため、実際のトレード回数は勝敗の並びによって変動し、3連勝ルールなら最大で450回、負けが多いケースでは200回前後になることもあります。
本記事でいう「フル複利」は、利益をすべて次のトレードに再投資する運用を指します。一方「一部複利」は、利益の一部だけを再投資する運用で、ここではロット増加を約1.5倍に抑えたケースとしてシミュレーションしています。
シミュレーション結果①(フル複利 × 3連勝ルール)
- 最終損益:-210万円
- 最大ドローダウン:-420万円
- 3連勝に到達しない期間が長い
- 利益が伸びる前にドローダウンが拡大
- 現実運用ではメンタル耐性がかなり必要
「勝率がそこそこでも、複利を使うだけで安定するわけではない」という現実がよく出ているパターン。

ドローダウンは資金がどれだけ減少するかという部分なので、リスク管理上とても重要です。
シミュレーション結果②(フル複利 × 2連勝ルール)
- 最終損益:+270万円
- 最大ドローダウン:-140万円
- 連勝が比較的きれいに機能
- ドローダウンが浅く、資金曲線も安定
- 複利が「武器」として機能している
この結果を見ると「やっぱり複利って強いじゃん」と思いがちですが、これは 前提(勝率・RR)が揃った場合のみ。
シミュレーション結果③(一部複利(1.5倍) × 2連勝ルール)
- 最終損益:-635万円
- 最大ドローダウン:-635万円
- 連敗がそのまま資金に直撃
- 回復する前に資金が削られ続ける
- 複利が完全に「諸刃の刃」になっている
この運用は、今回のシミュレーション前提では全くおすすめできません。
3パターンの結果まとめ(150回)
| パターン | 最終損益 | 最大ドローダウン | 評価 |
|---|---|---|---|
| ① | -210万 | -420万 | 複利のリスクが目立つ |
| ② | +270万 | -140万 | 条件が揃えば有効 |
| ③ | -635万 | -635万 | 非推奨・破壊的 |
この結果から言えること
- 複利は「勝てる前提」があって初めて機能する
- 勝率50%ギリギリ、もしくはRRが不安定な状態で使うと資金変動が一気に荒れる
- 「増やす力」と同時に「削る力」も等しく強化される
つまり、複利=万能な資金管理ではない。あくまで条件が整った時に選べる“1つの選択肢”。
ここまで見てきた通り、複利は正しく使えば強力ですが、使いどころを間違えると一気にリスクが跳ね上がります。
次の章では、
- どんなトレードスタイルなら複利が向くのか
- デイトレ・スイングで考える最適化の工夫
- 逆に、複利を使わない方がいいケース
このあたりを整理していきます。
3.FX複利を運用する上でのリスクと現実
3-1.複利運用ではドローダウンも大きくなりやすい
複利運用では、利益が伸びる可能性がある一方で、連勝後に負けると利益が残りにくい点にも注意が必要です。特に重要なのが、ドローダウン後の回復難易度。
▼ 資金減少と回復に必要な利益
- −10% → 回復に必要な利益:+11%
- −20% → +25%
- −30% → +43%
- −50% → +100%
資金が減るほど、回復に必要なリターンは急激に跳ね上がります。つまり、複利運用では増やすことよりも、どこまでの減少を許容できるのかを事前に明確にしておくことが重要なのです。
複利の運用ルールのポイントは、次の3つです。
- 何連勝まで再投資するのか
- 再投資はフルか、一部か
- どこまでのドローダウンを許容するのか
これらは運用中に調整するものではなく、あらかじめ決めた範囲の中で淡々と運用していく前提になります。

実際にやってみるとドローダウンが思ったよりキツくて、一度ロットを落としたこともありました。
3-2.勝率・RR・トレード回数の考え方(複利の前提条件)
勝率・RR・トレード回数は、いずれもトレード成績を左右する要素ですが、複利運用が成立するかどうかは、この3つの組み合わせで決まります。
ただし、複利における重要度は同列ではありません。優先順位は、勝率・RR > トレード回数です。
まず、RRが1:1を下回る場合、フルで複利をかけても資金の増加スピードは鈍くなります。これは単利運用でも同様で、RRが低いトレードはそもそも不利になりやすいです。
一方、勝率は複利特有の重要な要素になります。単利であれば勝率40%台でも高RRで成立する手法はありますが、複利では負けが多いと途中でリセットが繰り返され、利益が残りません。
そのため、勝率は最低でも50%、可能であれば52〜55%程度は欲しいラインになります。
トレード回数については、必ずしも多い必要はありません。回数が多ければ複利が効きやすいのは事実ですが、回数が少ない場合でも、勝率とRRが安定していれば運用は十分に成立します。
複利は、安定した成績にプラスして、資産形成を加速させるための運用手法です。イメージとしては、すでに機能しているトレードに、ブーストをかけるような位置づけですね。
- 複利が成立するかは、勝率・RR・トレード回数による
- 優先順位は、勝率・RR > トレード回数
- RRは1:1以上、勝率は50%以上欲しい
- 複利は安定した成績を前提とした運用方法
3-3.複利運用に向いているトレードスタイル・向かないスタイル
複利運用は、すべてのトレードスタイルで同じように機能するわけではありません。以下、トレードスタイルごとにポイントを整理します。
スキャルピング
- トレード間隔が極端に短い
- ロットを都度調整するのが現実的ではない
- 複利運用には不向き
デイトレード
- トレード回数を確保しやすい
- 2〜3連勝でリセットするルールだと運用しやすい
- 勝率やRRのバランスによっては、ドローダウンが大きくなりやすい
スイングトレード
- トレード回数が少ない
- ドローダウンが大きいと回復に時間がかかりやすい
- 連勝数や再投資比率の割合を抑えることでコントロールしやすい
このように、複利は「使う・使わない」の二択ではなく、自分のトレードスタイルや成績に合わせて運用方法を調整する必要があります。
3-4.僕が実際に使っている複利ルール
ここまでの内容を踏まえたうえで、僕自身が実際に採用している複利の運用ルールを紹介します。
前提条件
- トレードスタイル:スイングトレード
- 勝率:約60%
- RR:1:2前後
この前提で、以下のルールで複利を運用しています。
僕の複利ルール
- 再投資は2連勝まで
- フル複利ではなく、一部複利(1.5倍)
- ドローダウンを深くしないことを最優先
理論上はフル複利も可能ですが、スイングはトレード回数が少なく、一度のドローダウンが長期化しやすいという特性があります。
そのため、爆発力を狙うのではなく、利益を残しやすいバランスに寄せて複利を使う、という判断をしています。
複利は、資金効率を上げるための方法の1つに過ぎません。
他にも、
- ピラミッティングや追加エントリーで利益を伸ばす
- そもそものRRを改善する
- トレード精度を上げて勝率を安定させる
といった選択肢があります。これらと複利を組み合わせるのも有効ですし、複利を使わず、別の方法で資金効率を高めるという考え方もあります。
複利で大切なのは、成績が安定してから、増やし方を考えることです。
複利以外の資金効率を高める運用方法で、実践しやすいのが「追加エントリー」という考え方です。
まとめ
FXにおける複利運用は、うまく噛み合えば資金の増え方が一気に加速します。その一方で、勝ち負けの並びによっては、ドローダウンも大きくなりやすく、決して万能な方法ではありません。
だからこそ重要なのは、「どれだけ増やすか」ではなく、どの前提で使い、どこまでの損失を許容するのかを、あらかじめ決めておくことです。
この記事で整理してきたポイントは、以下の通りです。
- 複利は、何連勝でリセットするかを決めて使う
- どこまでのドローダウンを許容できるかが重要
- 勝率・RR・トレード回数のバランスが前提になる
- トレードスタイルによって向き・不向きがある
複利は、手法や成績に合わないのであれば、無理に使う必要はありません。
初心者のうちや、まだ成績が安定していない段階では、どうしても「早く増やしたい」と焦ってしまいがちです。
ただ、資金効率の向上は、トレードが固まってから取り組む方が、実際には効率がいいものです。複利のほかに、ピラミッティングや追加エントリーといった方法もあります。
まずは焦らず、トレードの土台を作ることを優先してもいいと思います。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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